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毬 藻 舎 つ れ づ れ

日々のあれこれ。仕事のあれこれ。

格子のこと

京町家の外観で、特徴的なのが「町家格子」です。

格子のデザインは、その家に住む人の職種によって異なるのだとか。
西陣織が盛んなこのあたりの地域では、「糸屋格子」や「織屋格子」と
呼ばれる、細めの格子をよく見かけます。
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扱うものが、糸なのか、織物なのか、着物なのか、などによって、
切子(短く切られている格子)の数が、
糸屋なら3本、織屋4本、呉服屋2本と異なります。
商売に応じて、採光が調整されているそうです。

ご近所さんの格子も、大抵が上のような、
切子入りのタイプなのですが、我が家はというと……。

改装前の格子↓
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……あまり見かけたことのないタイプの格子でした。

前の家主さんのお話によると、
亡きお父様がよそで見かけた格子に惚れ込み、
「これと同じものを作って欲しい」と建具職人に特注したものだとか。

もともと、表側の部屋(町家でいう「ミセの間」)で酒屋を営んでいたものの、
お店をたたむときに、格子を設置したのだとか。
当時、元家主さんも子供だった(50〜60年以上前?)ので、
それ以上の詳しいことは分からない、とのお話でした。

後日、偶然通りがかったお香屋「山田松香木店」の格子が、
我が家と同じ形であると判明!
近所というほど近くではありませんが…。
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酒屋のおじいさん(と勝手に呼ばせていただいています)が
これを真似たのかどうかは、今となっては真相は闇の中。
ですが、勝手にご縁を感じてしまいます。

ともあれ、そんなこだわりの詰まった格子を、
元のままの形で使うというのを絶対条件に、我が家の改装はスタートしたのでした。

元家主さんも、
「壊さずに引き継いでくれるのは嬉しい」と喜んでくれましたが、
そんなこだわりのある格子を引き継がせていただくことになり、
恐れ多いやら、ありがたいやら。。
末永く、大切に使わせていただきます。

とはいえ、当初はそれなりに古びた状態で、メンテナンスは必要。
まずは、表面を圧迫していた植栽を撤去し……。
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水拭きしただけで、ずいぶんきれいな姿に蘇りました。
(右は塗装作業中のオット。)
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その上から、自分たちで、昔ながらのベンガラを塗りました。
使ったのは「古色の美」のベンガラ塗料。
粉を湯に溶くだけで、簡単にベンガラ塗料が作れます。
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サラッとした塗料で、油性塗料のような臭いもなく、
乾きやすいので、塗装作業は予想していたより簡単!
途中、「おんなの塗装屋さん見たの、はじめてやわ〜」などと
ご近所さんに声をかけてもらったり、
夕方にかけては蚊にいっぱい刺されたりもしましたが。
大人2人で丸1日かけて、なんとか格子のお色直し作業が完了。
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塗装後の格子。シャンッとした姿になりました。
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場所によって傷み具合が違い、塗装してもムラ感は残りましたが。
それが逆に、アンティークっぽい仕上がりに見えて気に入っています。
実際、正真正銘のアンティークなのですが。

格子は、外から中が見えにくく、
光はしっかり通すので部屋の中は明るい、というのが定説。
我が家の場合、下部2/3はすりガラスなので、もともと中は見えないのですが、
明るさは、部屋の中から見るとよく実感できます。

改装前の内部から見た状態。
物件の内見時、格子を通した光が、古建具をぼんやりと照らす様子に、
グッときてしまいました。
IMG_5992_convert_20131012165608.jpg
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改装後。
建具を取り変えて(元の建具は別の部屋で使用しています)、
室内により明るい光が入るようになりました。
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リビングから表を見たところ。
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Comment

[139]

すごいすごい!
お引っ越ししたんですね!
しかも、ザ・京都!なステキな町屋。
すぐにお店屋さんでもできそうな雰囲気ですね~
改装が大変そうだけど、こだわりのお家、いつかお邪魔させて下さいねー。
(いつになるやら・・だけど^^;)
私も最近引越しを考えていて、新築かリノベーションか悩みまくっています。
でも、うちはずっと住むことを想定していないので、貸すor売ることを前提にすると、たぶん新築のマンションになるんだろうな~と。
こだわりのお家、私も夢だけど、なかなか難しいですよねー。
だから、よく決断して実行してるな!と、ほんと感心です♪

[140] 明子さん

ぜひぜひ。いつか遊びにきてくださいね〜。
ちなみに、裏千家お家元からほど近い場所なのです。
お茶修行中の若い方や、風格ある先生風の方まで、
ぞろぞろと歩かれているのを横目に、暮らしはじめました。
私もお稽古再開、いつの日か!

おうち、探してるんですね。
貸すor売るだとやっぱりマンションが有利ですよね。
いいところが見つかりますように♪♪

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プロフィール

毬藻舎

Author:毬藻舎
2012年に東京から京都に移り住み、
夫婦で書籍編集と
ライティング業に携わっています。
http://marimosha.com/
お仕事のご用命は
marimosha.info@gmail.com まで。


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