『単純な脳、複雑な「私」』

年末から『単純な脳、複雑な「私」』(講談社ブルーバックス)
という本をパラパラと読んでいる。
あいかわらず、池谷裕二さんは面白い。
難しい脳科学の話を高校生向けに語っている。
高校生に向けて専門家が語るスタンスが、
個人的には一番面白いのではないかと思う。
脳科学なので科学の話ではあるのだが、
突き詰めていくと、哲学の話になってしまう。
例えば、人にはなぜ好き嫌いがあるのか、
昨日の自分と今日の自分は本当に同じなのか、などなど。
どちらの問題も脳の記憶が関係しているらしい。
人間は本能的に安定を求める生き物。
生物として、自分の生存が第一だから。
以前に出会ったことがあるものは、自分の生存が保証されて
いるものだから、好きになるとのこと。
これは後天的に克服できるもので、何度も顔を合わせているうちに
その人のことが好きになったりすることも多い。
子どものころは苦かったビールが美味しくなるのも同じ。
池谷さんが言うには、正しいと好き(もしくは心地いい)は
同じ意味だそう。そして、好きは慣れによるところが大きい。
ここからは私見。
みんな「おふくろの味」が好きなのも慣れの問題。
夫婦で意見が一致しないのも慣れ(育った環境)の問題。
どっちが正しいということはないのだ(どっちも正しいのだろう)。
領土問題で、中国や韓国と対立するのも、
結局のところ、慣れの問題なのかもしれない。
余談だが、日本人や西洋人から見た「しまうま」は、
白い地肌に黒の縞がある馬と思っているけど、
黒人からすれば、黒い地肌に白い縞がある馬と思っているよう。
いやはや、いやはや。
(by オット)
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